ラプトルのモデル「デイノニクス」

                   picture from Pixabay by mdherren

デイノニクスって?

デイノニクス(Deinonychus)は鋭い歯と大きなかぎ爪を持つ、全長 3.3 mほどの小型肉食恐竜です。アメリカの古生物学者ジョン・H・オストロム氏(John H. Ostrom、1928-2005)によって1969年に名付けられました。映画『ジュラシック・パーク』シリーズ、『ジュラシック・ワールド』シリーズに登場する「ラプトル」のモデルとされています。

恐竜のイメージを変えたデイノニクス

デイノニクスが発見される以前において、一般的な恐竜のイメージといえば「巨大」「鈍重」「知能があまり高くない」というものでした。これらのイメージは、人類が恐竜類というグループを科学的に認識するようになった19世紀以降、100年以上も定着していました。しかし、このようなイメージはデイノニクスの発見によって覆されます。なぜなら、デイノニクスのスマートな姿は「鈍重で知能があまり高くない」ようには見えないからです。

恐竜ルネサンスとは?

「恐竜ルネサンス」は、1970年代に始まった従来の恐竜像の見直しです。デイノニクスの発見とその研究は、他の恐竜たちの復元にも影響を与えたのです。例えば、「ティランノサウルス(ティラノサウルス、Tyrannosaurus)」は恐竜ルネサンス以降、前傾姿勢でよりアグレッシブな姿で描かれるようになりました。

一般に浸透した恐竜ルネサンス

1970年代に始まった恐竜ルネサンスですが、一般に浸透するには10年~20年の歳月がかかりました。当時はあまりインターネットが普及していなかったからです。しかし、少しずつ一般向けの書籍で扱われるようになり、大衆の目にも止まるようになりました。インターネットがすっかり普及し、情報が瞬く間に拡散される現在からすると、なんとも信じがたい話ですね。

恐竜ルネサンスの集大成『ジュラシック・パーク』

『恐竜・古生物 ビフォーアフター』(イースト・プレス)では、映画『ジュラシック・パーク』を「恐竜ルネサンスの集大成」と紹介しています。スティーブン・スピルバーグ監督により1993年に映画化されたこの作品は、一般大衆に活発に動く恐竜のイメージを広く定着させました。2018年に最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が公開された現在でも恐竜のイメージは衰えず、私たちを大迫力の恐竜の世界に誘ってくれます。

参考文献

  1. 土屋健(2019)『恐竜・古生物 ビフォーアフター』イースト・プレス.
  2. ジョン・オストロム ― Wikipedia
  3. ジュラシック・パーク ― Wikipedia
  4. 映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』公式サイト